五島市と新上五島町での「世界遺産登録支援チャリティコンサート」企画。

    2016年5月27日に、広島を初訪問したオバマ大統領と平和公園で抱き合った被爆者の「森 重昭さん」。メディアによって全世界に発信された映像は、「日米和解の感動的シーン」として一躍有名になった。「森 重昭さん」は、1977年以来30年以上をかけて広島原爆で犠牲となった12人の米兵の家族を探し出し、了解を得て原爆死没者名簿に登録し、「米兵秘話」にまとめて発表された「歴史研究家」である。氏の「犠牲者に加害者、被害者の区別はない」との信念による人道的で貴重な調査結果は、オバマ大統領の広島訪問が「日本国民への謝罪目的ではなく、原爆で犠牲になった米軍捕虜12名を追悼する主旨もある」との米国内世論を納得させる口実にもなった。「森 重昭さん」は、その年の菊池寛賞に輝き、年末には、外務大臣、広島県知事、広島市長、広島テレビ社長を呼びかけ人として、受賞祝賀会が開かれ、まさに時の人となった。今年度からは高校の教科書教材にも採用された。私は、広島で開催された祝賀会に招待され、その席で披露された佳代子夫人の独唱と楽器演奏のアンサブルに接した。その後に「広島原爆記念日などで、長年続けて来た演奏会を、キリシタンの苦難の歴史が世界遺産に登録される後押し目的の、チャリティコンサートを五島列島で開きたい」との希望を聞かされた。その為には、「詳細な企画書をもとに、地元での支援体制を整える事が不可欠であり、十分な事前調整が必要だ」と返事していたが、森ご夫妻の強い希望を叶えるには、私の薄い人脈では困難であり、福江市浦頭教会在任中に12年間も教育委員として委員長も務められたカトリック長崎大司教区の野下千年神父と世界遺産登録問題の専門家柿森和年さんの抜群な力を借りる事にして、先ずは五島市へと、5人は19日から2泊3日の事前調整の旅に出た。(長崎県被爆者手帳友の会会長・井原東洋一)


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